ビジネスでよく使われるマーケティングは、企業だけでなく個人にとっても役立つ考え方です。マーケティングを学び実践することで、目的の達成がしやすくなります。
本記事では、マーケティングの考え方や大切なことについて、3冊の本をもとにご紹介します。
目次
マーケティングとは?
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方: 成功を引き寄せるマーケティング入門を参考に、マーケティングについて解説します。
著書では、マーケティングとは、売れる仕組みを作ることと定義しています。
売れる仕組みとは、顧客と商品・サービスの接点をコントロールすることであり、コントロールすべき顧客との接点は3つあるといいます。
売れる仕組みを作る3要素
①顧客の頭の中
人は知らないものに対して購買行動を取りにくいため、認知率を上げることが必要です。
そして、顧客の頭の中に商品・サービスが選ばれる必然を作ることが売れることにつながります。これをブランディングと呼びます。
認知率を高め、商品・サービスを選んでもらえるようにブランディングすることで、顧客との接点を作ります。
認知率をただ上げるだけでは不十分で、商品・サービスを選んでもらえる=商品・サービスのファンになってもらうことが大切です。
人気が認知を作るとも言われるように、まずはブランディングでファンを増やすことが大切のように思います。
②提供場所
顧客が商品・サービスを必要としているときに手に入ること、必要だと思い出してもらうことで、購買につながります。
店頭の場合は3つの要素があります。
- 配荷率
商品(ブランド)が店頭で扱われている割合 - 山積(ディスプレイ)
商品を目立たせて思い出してもらう仕掛け - 価格
中長期的にみて商品(ブランド)が発展するために必要な価格戦略
提供場所が Web や SNS であっても、上記の考え方に置きかえることができると思います。
③使用体験
顧客の最初の購入をトライアル、2回目以降の購入をリピートと言います。商品・サービスを体験してもらい、次回以降も買ってもらうことで売れる仕組みが作れます。
①商品・サービスが認知されて選んでもらえる状態を作り、
②購入・提供できる接点を増やし、
③体験・リピートしてもらう。
この流れが売れる仕組みとなります。
3要素をコントロールするためのフレームワーク
売れる仕組みを作るためのフレームワークの1つとして、目的→目標→戦略→戦術の順番で考えることが紹介されています。
- 目的(OBJECTIVE):達成すべき使命
目的によって、その後の目標、戦略、戦術も変わってくる重要な概念です。
設定する上では”実現可能性があるか”、”シンプルであるか”、”魅力的であるか”を確認します。
- 目標(WHO):ターゲットは誰か?
目的を満たすためのターゲットを設定します。提供する価値を必要とする顧客は誰かを明確にします。 - 戦略(WHAT):何を売るのか?
人の心を動かす商品・サービスの魅力・価値を決めます。
戦略とは、目的を達成するためにリソースを配分する選択のことです。商品・サービスの価値から、目的やターゲットの心を最も満たすものを選択します。 - 戦術(HOW):どうやって売るのか?
WHAT を WHO に届けるための仕掛けを作ります。
4Pと呼ばれる Product 、Place 、Price 、Promotion をどうアプローチしていくかを設定します。
また、目的を考える前にやるべき大切なことが戦況分析であるといいます。
戦況分析とは、介入しようとする市場構造をよく理解して一連の流れを把握し味方につけることです。こうして得られた情報資源を土台として適切な目的を設定します。
一般的な戦況分析の視点である5C分析をすることで、市場構造の理解をした上で適切な目的をたてることができます。
- Company
自社の全体戦略を理解すること、経営資源をたくさん把握すること、強み・弱みを把握すること - Consumer
顧客を量的・質的に理解すること、根本的な悩みを見つけること - Customer
共同して市場価値を作り上げているパートナー且つ市場価値のパイを奪い合う競合 - Competitor
広義においての競合理解
自ブランドが消費者に提供している価値を提供しているすべての競合 - Community
法律、世論、税率、景気、為替など、影響を与える要素を明確にすること
マーケティングの3つの大切なこと
顧客視点で考えること
USJ が消費者視点の会社に変わったということが、V字回復の最大の原動力
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方: 成功を引き寄せるマーケティング入門
一人の名前を持つ具体的な顧客、”N=1″を徹底的に理解すること
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
マーケティングにおいてもっとも重要なこと、それはニーズを知ること
パーソナル・マーケティング
どの本も、一番大切なのは顧客の求めていることは何かを考えることだと書かれています。
ブログ×SNSで発信しているクロネコ屋さんも、「悩みのある人に役立つ発信が出来れば、商売は上手くいく」と言っています。顧客視点で考えることがマーケティングで一番大切なことのように思います。
ターゲットを明確にすること
マーケティングにおいて、もっとも大事なことのひとつは、「ターゲットとなるマーケットはどこか?」を明確化すること
「ターゲットはどこか?」を検討するということは、イコール「誰の役に立つか?」を徹底的に考えること
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極めること。
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方: 成功を引き寄せるマーケティング入門
顧客視点で考えることとセットで、価値を提供するターゲットを決めることが大切です。必要とされるモノを必要としている人に届けることができなければ、どんなに良い商品・サービスでも日の目を見ることはありません。
提供する価値 WHAT を磨くこと
顧客の求めていることを把握し、ターゲットが明確になれば、何を提供すれば良いかが決まります。
たった一人の分析から事業は成長する実践顧客起点マーケティングでは、この WHAT を “アイデア(独自性+便益)”と定義しており、1人の顧客を深く理解することで見つけることができるとしています。
パーソナル・マーケティングでは、個人を商品として捉えた場合、自分の経験やスキルから見つかる強みが提供する価値であると書かれています。
顧客の求めていることから WHAT を生み出して作る、もしくは既にある WHAT が顧客にどう役立つかを考え磨いていく、という両方向のアプローチがあるように思います。
まとめ
3冊の本をもとに、マーケティングの考え方をご紹介しました。
マーケティングを学ぶことで、売れる仕組みの作り方を身につけることができます。それは商品やサービスが売れること、自分自身が売れることに直結します。
マーケティングの基礎が分かり、目的・目標・戦略・戦術が明確になればあとは PDCA を回すのみです。
基本的な考え方を学ぶには”USJを劇的に変えた、たった1つの考え方: 成功を引き寄せるマーケティング入門“、より具体的に実践する方法を学ぶには”たった一人の分析から事業は成長する実践顧客起点マーケティング“、自分自身のマーケティングをしたいなら”パーソナル・マーケティング“が参考になりました。
この記事が、ご自身のビジネスにマーケティングを活かすきっかけとなれば幸いです。